Q.
法律婚に近づける目的で行う事実婚契約公正証書を作成する場合があると聞きましたが、本当でしょうか?
A.
近年、男女が婚姻届を提出することによる法律婚ではなく、事実婚(いわゆる「内縁関係」のこと)を選択する男女が一定数出てきています。
ただし、事実婚の場合、法律婚の場合と異なり、その関係が戸籍には反映されないため、その事実を証明することは大変と言えます。
また、戸籍に夫婦の届出をした法律婚と比べると、相続等の点において事実婚は不利益な点があることは否めません。
そこで戸籍上の婚姻届出をしない事情がある場合には、「事実婚契約公正証書」を作成して、事実婚を選択していることを対外的に証明し、事実婚契約公正証書の中に死因贈与契約条項を設けて相続権のないパートナーを保護することが考えられます。
事実婚契約公正証書には、通常、同居協力の義務、子の認知、医的侵襲に関する同意権等を記載することになります。
事実婚契約について、公正証書ではない私署証書(いわゆる、「通常の契約書」のこと)でこれらの契約を定めることもできますが、その場合は証明力が劣ることになります。
事実婚を選択される方は、事実婚の事実証明を明確に行ったり、パートナーの法的保護を図るために、事実婚契約公正証書を作成しておくことが望ましいといえます。