Q.
強制執行認諾文言付各種契約公正証書では、強制執行認諾文言において、「乙は、第〇条に定める金銭債務の支払を怠ったときは、直ちに強制執行に服する旨陳述した。」といった文言が規定されますが、たとえ金銭債務の支払を債務者が怠ったとしても、債権者が債務者に対して強制執行を猶予することは可能ですか?
A.
債権者が債務者に対して強制執行を猶予することを目的として、次のような形で不執行の合意のある強制執行認諾文言を規定することがあります。
(1)終期の定めのある不執行の合意をした強制執行認諾文言
ex.「乙は、第〇条に定める金銭債務の支払を怠ったときは、直ちに強制執行に服する旨陳述した。ただし、甲は、令和〇年〇月〇日まで、その債権に基づく強制執行をしないことを乙と合意した。」
(2)条件又は不確定期限の定めのある不執行の合意をした強制執行認諾文言
ex.「乙は、第〇条に定める金銭債務の支払を怠ったときは、直ちに強制執行に服する旨陳述した。ただし、甲は、乙が第三者との間で自ら所有する下記の不動産に係る売買契約を締結するまで、その債権に基づく強制執行をしないことを乙と合意した。」